静学ブログ
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平成30年度農業体験講座〜棚田で遊ぼう〜棚田体験Tour事前講義
3月26日(月)、春季特別授業の午後を使い、平成30年度農業体験講座〜棚田で遊ぼう〜棚田体験Tour事前講義が開かれました。講師は、静岡大学農学部名誉教授の中井弘和先生です。先生は、1991年、研究の焦点を自然農法に移して以来、一貫して自然農法にこだわり、清沢塾を設立し、塾長として耕作放棄の棚田を不耕起・無農薬・無肥料によって自然復元する活動に取り組んでおられます。今年度は、『棚田に遊び、平和について考える- 一粒の米が命を救う-』をテーマに御講演いただきました。最初に自らの戦争体験と戦後の貧困についてお話しされてから戦争と平和について旧約聖書の『主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国に向かって剣をあげず、もはや戦うことを学ばない』(イザヤ書2章4節)をあげ、平和の象徴としての農業についてお話下さいました。『みんなが平らかに(平等)に、禾(稲、穀類)を口にする(食べる)こと』(熊本県、阿蘇蒼井神社伝承)が平和を作ることになるにもかかわらず現在の農業はそうなっていないのではないかということでした。
次に種の命は人の命より重いというテーマで享保年間に起こった飢饉の際、家族や自分の命に代えても種もみとなる麦を食べず飢え死にした伊予国松山藩筒井村(愛媛県松前町)出身の農民、作兵衛の逸話をお話されました。享保の大飢饉の際、自らも飢餓により倒れた作兵衛は、村人たちによって自宅に運び込まれました。枕元には種もみが入った袋がありました。村人たちは彼に種もみとなる麦を作兵衛に食べるように言いましたが、作兵衛は「農は国の基、種は農の本である。一粒の種子が、来年には百粒にも千粒にもなる。わずかの日に生きるためだけに食してしまって、どうして来年の種子ができるのか。自分の身を犠牲して多くの人の命を救うことができれば私は本望だ」と言い、麦種を一粒も食することなく飢え死したといいます。先生は、聖書の「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ」(ヨハネによる福音書12章24節)の言葉を引用され、一粒の種が明日の命を担っていることをお話されました。江戸時代の農民は、自ら品種改良をし、幕府の過重な年貢の取り立てに耐え、作られた新しい品種を分け合ったといいます。
一方、世界中から種子を買い集め、それを大量に量産して世界各国に売りつける多国籍企業と化した穀物メジャーの提供する種は、農薬に汚染され作物になってからも私たちの命を脅かす作物しか生み出さないことやそうした穀物メジャーが進める企業的農業からの脱却し家族的経営が見直されているアメリカの農家の在り方についてもお話下さいました。
これからの日本の農業は家族を単位とした無農薬・無肥料の農業経営に戻り、穀物メジャーが提供する種子に頼った農業から決別しなくてはならないことを力強くお話して下さったのが印象的でした。さて4月28日(土)は、第1回棚田体験Tour実施日です。今年も種蒔きから始まります。一粒の米がどれだけ増えるのか楽しみですね。


