Shizugaku 静岡学園高等学校Shizugaku 静岡学園高等学校

未来を解く力。社会性や感受性を健やかに育むSEL
未来を解く力。社会性や感受性を健やかに育むSEL未来を解く力。社会性や感受性を健やかに育むSEL

立ち直る力を養うレジリエンス講座立ち直る力を養うレジリエンス講座Vol.01

SELとは、Social Emotional Learning、日本語では「社会性と情動の学習」と訳され、自分の感情を調整する力、共感力や良好な対人関係を築く力を育むこと。そのなかでも、困難なことに出会ったときに立ち直る力「レジリエンス」について実践的に学んでいきます。

Vol.01 SEL特別外部講師 小林 朋子教授 静岡大学教育学部教授 子どもレジリエンス研究所所長SEL特別外部講師 小林 朋子教授 静岡大学教育学部教授 子どもレジリエンス研究所所長

よりよく生きるために、
立ち直る力を身につける大切さ。

よりよく生きるために、立ち直る力を身につける大切さ。よりよく生きるために、立ち直る力を身につける大切さ。

中学・高校に進むと子どもたちを取り巻く環境も複雑になり、勉強へのプレッシャーや人間関係など悩みが深まる時期でもあります。だからこそ、子どもたちには、予測不能なことや苦しいことに直面しても、立ち直る力を身につけてもらいたいと考えています。

世界で実施された子どもたちの幸福度の調査から、テストの点<認知スキル>が上がることより、社会情動的スキル(数値では捉えにくい、頑張る心、自信、思いやりなど)を上げた方が、より幸福感が高まることがデータで示されています。

勉強やスポーツでミスした時に落ち込んで意欲がなくなってしまった、その時、立ち直る方法を自分なりにもっていることは、ウエルビーイング<よく生きる>のための必須の力になります。

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静学では、
3年間の成長に寄り添って
SEL講座を実施します。

SELの授業では、自分との付き合い、他者との付き合い、身体との付き合い、心技体の3つから構成されるレジリエンスについて、実践法も身につけていきます。試合でミスをしてしまった時、テストの結果が思わしくなくやる気を失ってしまった時に、どうしたらいいのかと自分を客観視して組み立てていけるように、呼吸法や身体の使い方、自分だけのコーピング(ストレスを軽減する方法)を複数持って、それが今の自分にあった状態のコーピング法なのか判断していきます。

感情をコントロールするには、他者とのつきあいも大事。思いやりを持って人と接し、困難な時に助け合える人間関係を築くことも学びます。

現在は数クラスで限定的なプログラムで実施していますが、学習指導要領や学園の行事と連動しつつ全校生徒に実施していくためのカリキュラムを作成中、先生方のスキルアップも行っています。

ご家族とも情報を共有し、子どもたちが幸せに生きていける力を育てていきます。将来社会に出て悩んだ時にも「あれやったな」と思い出して生活に活かしてくれればうれしいですね。

静学では、3年間の成長に寄り添ってSEL講座を実施します。

どんな風でもしなやかにゆれる、
コスモスのような折れない人に。

コロナ期の登校制限時に子どもたちの不安を取り除くにはどうしたらいいか調べ、静大の小林先生のレジリエンスへの取り組みを知り、自分で立ち直る力を持ってもらえるように「レジリエンス」を要約して生徒と保護者に配信したのが端緒。2022度から当校でも小林先生のレジリエンス講義を実施しています。数クラスを抽出し、実際に身体を動かすリラックス法や、失敗した友達にあたたかい言葉をかけることなど、4回の実践的講義で学びました。生徒たちも日常生活の中で意識しはじめ、効果もみえてきました。

教師の立場からも相手がわかりやすいように物を伝える力、落ち込んでいる子どもへの接し方など大いに学ぶことがあり、すべての先生方に関わってもらえるように教育指導案を作成中。

私のことを子どもたちは「レジリエンスおじさん」と呼んでいるようですが、それも結構。レジリエンスをもっと広めて、くじける子どもを1人でも減らしていきたいと思っています。くにゃくにゃしているようで折れないコスモスのように、しなやかで強い心、将来にわたって身につけていってほしいスキルです。

静岡学園 生活部部長 安藤一弘