静学ブログ
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【歴史研究部】静岡市博物館の開館記念フォーラムに参加
歴史研究部員が静岡市歴史博物館の開館記念フォーラム「トークセッション~こんな風に博物館を使っちゃえ!~」に参加しました。これは美術評論家・タレントとして幅広くご活躍され、東京国立博物館の評議員でもある山田五郎さんをゲストにお迎えし、静岡市歴史博物館の中村羊一郎館長と静岡の未来を担う4名の高校生が博物館の可能性について考えるというイベントでした。博物館というと難しいという印象を持たれやすいそうですが、山田さんからアドバイスをもらいながら高校生たちはこれまでにない博物館の活用法を提案していました。静岡にゆかりの深い山田さんからのお話は大変興味深く、部員にとっても貴重な機会となりました。

【書道部】第59回全日本書初め大展覧会席書大会
令和5年1月5日(木)、日本武道館で開催された第59回全日本書初め大展覧会席書大会に書道部の高校2年生が参加しました。この大会は、予選があり、昨年に続き、今年も予選を突破した4名の生徒が参加しました。席書とは、お手本を見ずに指定された語句を書くことです。本大会は24分という時間の中で指定された枚数の書き初め用紙に揮毫しなくてはならず、その中からよく書けたものを1点選び、提出します。課題語句は、いずれも日本の古典から採られたもので書体は自由です。しかもありがたいことに予選の段階であらかじめ語句が提示されています。書き初めの練習をするには狭く十分なスペースがあるとは言えない書道室で練習生徒たちは、練習を積み本番に臨みました。
本番当日、会場一面に敷かれた多くの書き初め用紙の中で大きな太鼓の音が鳴り響き、揮毫が始まります。生徒たちは、一心不乱に集中し書き初め用紙に向かいます。そして静寂の中で作品を仕上げていきます。やがて所定の時間が来ると、終了を告げる太鼓の音が響き、揮毫を終えます。この間、顧問は観覧席から生徒たちを静かに見守っていることしか出来ません。ルール上、簡単なアドバイスさえ送ることも出来ないのです。
昨年は、初めての出場ということもあり、生徒の中には緊張した面持ちで臨み十分実力を発揮出来なかった生徒もいましたが、今年は、要領を得ていることもあり、どの生徒も落ち着いて揮毫することが出来ました。最後に自分でよく書けたと思う作品を持って立ち上がり、向きを変えて全ての来場者に観覧してもらいます。
日本武道の聖地、日本武道館で年明け早々に揮毫出来ることは、大変光栄なことでもあり、身の引き締まる思いですが、何よりも広い会場で書を志す仲間が同時に集まり、揮毫することは、喜ばしいことでもあります。それは参加した生徒たちが一番強く感じたことではないでしょうか。来年もぜひ日本武道館での本大会に参加出来るように高校1年生が精進してくれることを期待します。








SGT「Global Communication 増田樹郎先生との対話」
12月27日(火)の放課後、「SGT教養講座 Global Communication 増田樹郎先生との対話」が行われました。講師は、静岡福祉大学学長増田樹郎先生です。「SDGsと〈福祉の思想〉〜ネガティブ・ケイパビリティの視点から〜」と題しご講演いただきました。
まず初めに先生は、「ネガティブ・ケイパビリティ」とは何かからお話になりました。この言葉は詩人のジョン・キーツが使った言葉で「事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」であると言います。人間は、物事を理解しようとする力が強いので、「不確実さや不思議さ、懐疑の中」にいることを一般的に嫌います。しかし障害を持つ人々はどうでしょうか。先生は、見えない・聞こえない・話せない3重苦にありながら障害者の教育・福祉の発展に尽くした「奇跡の人」Helen Kellerが初めて水を認識した時の体験を例に挙げ、先天的に眼が見えない子どもの見る「夢」は、「カラー」か「白黒」か、「全聾」の子どもたちによる(グループ)でのダンスの方法はどのようなものか、アイマスクで歩行体験をする意味は何かといった質問を高校3年生3名の参加に投げ掛けました。私たちは、障害のある方々が「見たことのないものは、つくることは出来ない」という偏見を持つことがありますが、実はそうではないことを自らの体験を通じてお話下さいました。Helen Kellerは、「最も美しいものは、目で見たり手で触れたりすることはできず、心で感じなければならない」との言葉を残していますが、私たちは、目が見えない人が色の付いた「夢」など見られるはずがないとか、耳の聞こえない人が音楽に合わせて踊ることなど出来るはずがないといった思い込みに捕らわれているのではないかと指摘されました。
先生は、「Unlearn」と言う言葉をあげ、障がいのある方々と接する体験の中で目の見えない人であっても色のついた夢を見ること、耳の聞こえない人であってもスピーカーを地面に接するように設置することで伝わる音の振動をもとに音楽に合わせて踊ることが出来ることをあげ、「既に学んだ知識・思考・習慣などを見つめ直す(手放す)」ことで得られることの大切さをご紹介下さいました。
また「外見上の違いや内面的な違いにかかわりなく、すべての人が各自の持てる力をフルに発揮して連携・連帯を可能とする社会環境」、Diversity(多様性)が問われる現代にあって「エクスクルージョン(社会的排除)」ではなく、多様性を認め合い共に生きる「インクルージョン(社会的包摂)」こそが持続可能な開発につながるとお話されました。そこで「すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受することの出来る『共生社会』を築くためにはどうしたらよいのかという観点から「平等(Equality)」と「公正(Equity)」の違いについて説明されました。
社会の中で誰もが「平等(Equality)」に受けられる「平均的支援」ではなく、障害があってもなくても、男性であっても女性であっても若者であっても高齢者であっても平等な視点に立つことが出来る「福祉的支援」により障害者が「公正(Equality)」な立場から社会に参画出来るようにしていくことが共生社会の実現にあって大切であることをお話下さいました。
次に障害とは何かについて医学と福祉の見地では見方が異なることをご説明いただきました。医学の世界では障害者を「身体的、知的、精神的な」機能に障害あり、「日常生活又は社会生活に相当な制約を受ける者」であると定義するのに対し、福祉の現場では、心身の機能障害があり障害及び日常生活又社会生活を営む上で障害となるような「事物、制限、習慣、観念その他一切の」社会的障壁により社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいうそうです。したがって障害者に対して社会的障壁を「福祉的支援」により解消することが出来れば、障害者は障害を持つとは言えないということになります。しかし障害者にとって、そうした声を誰にどう伝えればよいのか、どこに情報があるのか、どのような選択肢があるのか、まだまだ知らされていない現実があると言います。こうした問題を解決することこそSDGs目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進しよう」につながると先生は言います。
さらに貧困の問題についてもお話になりました。SDGs目標1に「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせよう」があります。日本は先進国の中で経済的に恵まれている国であると言われていますが、「相対的貧困率は15.6%、子どもの貧困率は13.9%、ひとり親家庭の貧困率は50.8%」であると言われ7人に1人が貧困であると言われています。またユニセフの調査によると38ヵ国中、日本の子どもの幸福度は最低であると言われています。さらに孤独死を自己責任と捉える人々が42%もいるという驚くべき数字が出ています。こうした貧困を終わらせるためにはどうしたらよいのかという問い掛けに対し、仲間として互いに連携し、問題解決に向けて共に取り組むこと(Cultivation)が大切であると先生は言います。
問題解決に取り組むためには、Communicationが必要です。先生は、その語源から解き明かしてくれました。Communicationの言語は、ラテン語の「Comunio」です。この言葉には、壁を造り、自己の世界を築くという意味と道を拓き関係を築くという意味があるそうです。この2つを共に行うことで分かち合うという意味になるそうです。
最後に先生は、重度の身体的障害を持つ子どもの自宅介護の例を挙げ、ミルトン・メイヤロフの「ケアとは忍耐である」との言葉を引用し、命の尊さと愛についてお話下さいました。生命維持装置につながれた重度の障害がある子どもたちは、一見、何の成長もないように見えるが、必ず何らかの成長があることを忘れてはならいとおっしゃっていました。静岡県は、重度障害児を在宅ケアする家庭が多いとのことですが、そうした子どもたちをケアする保護者には深い愛があり、愛に基づいたケアによってたとえ重度の障害がある子どもでも成長を見つけることが出来るのだとおっしゃっていました。ケアとは忍耐であり、「他者が成長するのを援助すること」であるとともにケアする者の「本来の自己」や「自由の実現」を目指すものであるとおっしゃられていました。
参加した3名の生徒は、質疑応答の時間に積極的にさまざまな質問をするなど、SDGsと福祉の関係に理解を深めたようでした。
