静岡学園中学校・高等学校

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静学ブログ

2019年12月24日

SGT中1陶芸教室D班、第2回講座

 11月21日(木)、中学1年生のSGT陶芸教室D班(25名)の第2回講座が行われました。講師は、陶芸しみず春日工房の山本敬之先生です。今回は、高台削りです。高台の役割と形の違いによる趣の違いについて説明を聞いたあと、生徒は先生の実演を観ながら高台削りについて学びます。続いて各自生徒による実践です。茶碗の底の部分の厚みを測ってから少しずつ削っていきます。試行錯誤しながらさまざまな形の高台に仕上がりました。どれも大変個性的な作品ばかりです。次回は、素焼きした作品に釉薬をかけていきます。お楽しみに。















2019年12月24日

SGT教養講座 静岡の歴史を学ぼう! 静岡近代の偉人たち

 11月19日(火)、授業公開週間の放課後を使いSGT教養講座 静岡の歴史を学ぼう! 静岡近代の偉人たちが行われました。講師は、公益財団法人静岡市文化振興財団学芸員太田那優先生です。中学2年生が5名、高校1年生が1名、高校2年生が2名参加しました。今回は、幕末から明治時代にかけて駿府(静岡)を舞台に活躍した偉人たち-山岡鉄舟、徳川慶喜、徳川家達、多田元吉、大谷嘉兵衛、中条景昭、渋沢栄一、E.W. Clerk、中村正直、津田真道-を取り上げて講義をしていただきました。なかでも西郷隆盛に江戸総攻撃を思いとどまらせるために勝海舟との会談をお膳立てした山岡鉄舟や幕臣として江戸から駿府に移住し徳川家に仕え、牧ノ原の開墾とお茶の栽培に尽力した中条景昭、千葉県出身で中条と同じく江戸から駿府に移住し丸子に茶園を開き、インドのダージリン、アッサムなどを巡りインド式紅茶の製法を学び、帰国後、国産紅茶を製造し明治初期から中期にかけて輸出品として育てあげた多田元吉、金融機関と商社の機能を合わせ持った藩の組織「商法会所」を設立し商人に資金を貸付たり、藩の内外で茶をはじめとする特産品の販売を販売し、静岡茶や製造業者を後押しした渋沢栄一、駿府藩が駿府に作った静岡学問所で御雇い外国人教師として物理や化学などを教えるかたわら、まだキリスト教禁教だった明治の初めに日曜日は自宅を開放し、キリスト教を伝え家庭礼拝を行った宣教師E. W. Clerk、そして彼の生涯の友として思想的にも影響を受けSamuel Smilesの著した『Self Help』を『西国立志論』というタイトルで訳し、この中の一文、‘Heaven helps those who help themselves’を「天は自ら助くる者を助く」と訳した中村正直などは、中学の歴史、高校の日本史の教科書でも取り上げられることのない人物ですが、静岡近代の歴史に大きな役割を果たした人物として初めて知った生徒たちもいたようです。また静岡市葵区にある西郷・山岡会見の史跡碑や静岡学問所之碑、徳川家達邸にあった田安門、西草深の徳川慶喜公屋敷跡を記した石碑など、この時代に関係する記念碑や石碑に興味を示した生徒もいたようです。講義のあと多くの質問が生徒や保護者から出ました。今回取り上げた人物に関する質問もさることながら学芸員になるにはどのような大学・学部に進学し何を学んだらよいのかといった質問もありました。来年度も静岡市文化振興財団学芸員による出前講座を利用したSGTを実施していく予定です。来年度は、今川義元とその時代を取り上げる予定です。お楽しみに。















2019年12月23日

SGT 第5回Mac Book Airで学ぶ高校生のためのProgramming教室

 11月19日(火)、放課後の時間を使い、第5回Mac Book Airで学ぶ高校生のためのProgramming教室が行われました。今回が最終回です。Programming言語、JavaScriptを使い、制作したGameをSmartphoneで動くGame Application SoftwareとしてInstall出来るように最終的な仕上げをしました。今年は、女生徒が3名参加しましたが、Programmingの世界でも世界最高齢のProgrammerは、日本人の80代の女性です。女性の進出が目覚ましい業界でもあります。本講座をきっかけに本校でもProgrammingに興味・関心を持ち将来、Programmerとして活躍する生徒が出てくることを期待したいですね。







2019年12月23日

SGT 中高生のための数楽講座

 11月12日(火)、放課後の時間を利用し、SGT教養講座 中高生のための数楽教室が開かれました。講師は、静岡県立大学名誉教授の小林みどり先生です。中学3年生1名、高校生が13名参加しました。『クリティカルシンキング データ編-データに強くなる!』をテーマにデータに騙されないようにデータの基本的見方について学びました。私の周りにはさまざまな統計上のデータを根拠にした情報があふれていますが、その情報を鵜呑みにせず、そうではないかもしれないと疑ってみること、疑いつつ考えること、その情報に対してだけではなく、自分に対しても同じように疑ってみることを先生は『つっこみ力』と称して必要であることをまず生徒にお話下さいました。これを『批判的思考』、つまり『クリティカル・シンキング』と言いますが、先生は、そのデータに対して『誰が、何を、どうやって教えたのか』をまずよく把握することが大切であると言います。今回は、ワールドカップ南アフリカ大会で、7回連続で試合の勝敗を当てたタコのパウルくんは、予言能力があるのか、高層マンションから落ちたネコは、高い階から落ちた時の方が生存率は高かったという動物医療センターの報告があるが、どういうことなのか?などを例にデータにもとづいて分析しました。データは客観的なものですが、どのデータを取り上げるかは主観的です。誤ったデータの読み取りによる思い込みは誤った理解を生み出すもとにもなります。そうならないために先生は、まず自分の頭で考えてみること、3H(Head、Hand、Heart)を使うこと、素朴な疑問を大切にすることが大切であることを講義の中で繰り返し訴えられていました。数学の苦手な文系の生徒でも分かりやすいみどり先生の講義は、従来の数学の枠に捕らわれないまさにクリティカルな講義でした。








2019年12月23日

SGT教養講座 Global Communication 第1回 飯沼直樹先生との対話 -子ども食堂の地域の役割と子供たちの環境へのアプローチ。そしてSDGsとの関わり方。-

 11月9日(土)、放課後を使いSGT教養講座 Global Communication 第1回 飯塚直樹先生との対話 -子ども食堂の地域の役割と子供たちの環境へのアプローチ。そしてSDGsとの関わり方。-が行われました。講師は、特定非営利活動法人静岡市子ども食堂ネットワーク理事長飯塚直樹先生です。高校生が11名と保護者が2名参加しました。ここ数年、NewsやDocumentary番組でも取り上げられることが多い子ども食堂ですが、静岡でも本業とは別にNPOを作り活動をされている方がいます。それが飯塚先生です。私たちは子ども食堂を「子どもの貧困率」が高い地域で行われている支援活動というイメージでとらえがちです。それゆえ子ども食堂を「子どもが一人でも安心して利用出来る無料または低額の食堂」で「子ども達に栄養を考えた手作りの食事を提供する」場とだけ思いがちですが、子ども食堂の役割は、それだけではありません。「みんなで食卓を囲む楽しさを感じたり、世代間の交流や、親同士のコミュニティーの場」を提供することでもあります。そのため「楽団による演奏会」や「三味線の演奏体験」「竹とんぼやけん玉遊び」などの経験や知識を子供たちに伝えたり、子どもたちが持ってきた宿題の分からない箇所を学生や教職員や塾講師の経験があるボランティアが教えたりする「学習支援」や、年齢を問わずさまざまな世代や立場の人たちと交流することで地域・社会との繋がりを持つことなどの「多世代交流」が行われています。

 飯塚先生は、静岡市内の小学校区に1つ子ども食堂を!」を目標にかかげ、NPO法人「静岡市子ども食堂ネットワーク」を設立し、「子ども食堂」の立ち上げ、開催、運営に対して、食材や運営費、保険、衛生管理、会場管理、広報等に関するサポート事業を行い、2019年9月現在、市内に14会場を展開しています。但し、現在子ども食堂は、大きく2極化していると飯塚先生は言います。1つは『地域の子ども食堂』、2つは『特定の問題を救い上げる子ども食堂』です。地域の子ども食堂とは、貧困対策支援、孤食対策支援、引きこもり、不登校対策支援、保護者支援等の『子ども達を見守』ったり、『問題を和らげる』ことを目的とした側面と学習支援、体験学習、子ども達の居場所つくり、食育活動、世代間交流(三世代交流)、地域交流(地域活性)などの『楽しい記憶と豊かな人間関係を育む地域の活性と交流』があると言います。そこでは、地域の子どもたち、保護者(PTA)、地域のボランティア、地域の人たち(自治会)、小学校、地域の企業や店、静岡市子ども食堂ネットワークが協力しながら活動しています。夫婦共働きが当たり前の時代となり、核家族が増える中で地域の結びつきが希薄になりつつあり子ども達を取り巻く環境に不安を覚えたり、その環境をよりよくしたいと考え、子どもたちに関わりたい、子ども食堂に可能性を感じる方々が増えています。しかしその反面子ども食堂を立ち上げるとなると活動を継続していくことの難しさや安全性や資金面に不安を覚えたり、情報の共有化することで協力者、連携先の強化を進めていく必要が出てきます。そうした窓口となっているのが飯塚先生の立ち上げたNPO法人静岡子ども食堂ネットワークです。では子ども食堂が地域にもたらす効果とは何でしよう。飯塚先生は、一部の子供たち達の変化に気がつくことが出来るようになると指摘します。例えば、不登校で学校に来られない子どもがいじめっ子がいないので子ども食堂には出てきて同じ学校の子供たちと交流したり(逆にいるので出てきたくても出てこられないという場合もありますが)、親が食事を作らず栄養のある食事を十分とることが出来ないネグレクトを受けている家庭の子どもたちを把握することによって地域の人たちが子供たちと関わることが出来る場所となること、また地域の企業や組織、団体が子ども食堂と連携して地域の活性化や子育て支援の可能性を広げることにつながります。その反面、『本当に支援が必要な子ども達に届いているのか?』という疑問もあります。例えば、子ども食堂を開設したもののやって来るのは子どもたちではなく、地域のボランティアとして働きたい高齢者ばかりになってしまい、子どもたちの需要がないという状況が生まれたり、子ども食堂に子どもが行くとあの家は貧困家庭だと近所の人たちがレッテル貼りをし噂をするので田舎ほど行きたくても行くことが出来ない子どもたちが出てくることや継続的な経費を補う収益と人手が必要だが足りない状況が生まれたり、食中毒や子ども食堂に行く途中や帰る途中で交通事故や事件に巻き込まれたりすることがあったりした時の責任問題が起こった時にどうするのかという問題が出てきています。そのため子ども食堂を立ち上げるために必要な地域の小学校との協力と連携、子ども食堂を開催する3人〜5人のボランティア・チーム、金銭的に支える地域の企業、様々な連携や情報を共有する組織や地域との取り組み(ネットワーク化)や協力が不可欠であり、その調整役として子ども食堂ネットワークは活動しています。

 子ども食堂の持つこれからの可能性として子ども食堂は貧困家庭の子どもがやって来るところではなく、『地域の子育ての様々な繋がりの一つ』の場としてどの子どもも気兼ねなく利用出来て『その地域の特徴を掴んだ子ども食堂』であること、『子ども食堂がある事で救われる子ども達、喜ぶ子ども達』が生まれる場であること、地域に子ども食堂があることで『今よりも子ども達にとってもっと住みやすい環境』になること、そして『今よりも大人たちにとってもっと子ども達に関われる環境』なることを期待して活動しているとのことでした。子ども食堂の活動を通じて救われた子供たちが高校生や大学生になり、ボランティアとして活動に参加したりすることもあるそうです。

 飯塚先生はこうした子ども食堂の活動とSDGsを結びつけて考えます。2015年9月の国連サミットで国連に加盟する193カ国が採択した『持続可能な開発目標(SDGs)』は、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標です。これらを達成いるために具体的な169のターゲットで構成されています。日本では子どもの6人から7人のうち1人が貧困だと言われており、先進国の中で貧困率が高い国という位置づけにあります。食料を手に入れることが出来ず食べることが出来ない絶対的貧困率は低く行政に保護に頼ることが出来ます。しかし相対的貧困率は高くなっています。例えば、食事は何とかとれるけれども塾に通うだけの金がないといったものです。近年、奨学金を利用する学生が増えていますが、これは相対的貧困率が増えているからです。この背景には親の貧困を子どもが引きずっていることがあります。またジェンダーについても2018年12月に世界フォーラムで発表された数字によると149国中110位という大変低い順位となっています。そのほかにエネルギー問題、働き方改革、経済成長、気候変動についてももはや開発途上国だけではなく先進工業国が積極的に関わらなくてはいけない問題となっています。こうした中で2017年11月に経団連が7年ぶりに行動企業憲章を改定し、Society5.0というConceptのもとにSDGsに本気で取り組むという姿勢をみせています。これまでは儲けた金の一部を使い社会のために貢献しようというCSRとして取り組みを企業が行ってきました。しかしこれは企業の自己満足でしかありませんでした。しかし世界を代表する企業は、本業を通じて儲けながらSDGsを達成し、世界を変えていこうという取り組みに変わってきています。
さて、地方ではどうでしょうか。国は『SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり』を掲げSDGsを活用した地方創生を進める都市に対して予算を付け2018年から推進しています。残念なことに静岡市は観光地としてSDGsを活用した地方創生プランを提案しましたが、国は却下しました。どうやら政府は、人口減少都市が生き残るためのプランとしてSDGsを活用した地方創生プランに補助金を出しているようです。一方で持続可能な世界を実現する動きは、ビジネスでも進んでいます。消費者は持続可能な世界に考慮しない企業の商品は買わなくなり、積極的に取り組んでいる企業の商品を買えようになってきています。つまり企業のSDGsに対して真剣に取り組む企業が消費者に支えられブランドイメージが定着し、その結果売り上げが上がるという形が生まれています。こうなると投資家はSDGsに取り組み利益を上げる企業に対して投資をするという循環が生まれます。資生堂よりP&Gを選ぶ消費者がいるのはこうした違いからかもしれません。

 さて子ども食堂は、SDGsの目標にどのように取り組んでいるのでしょうか。
「1 貧困をなくそう」「2 飢餓をゼロに」「3 全ての人に健康と福祉を」「11 住み続けられるまちづくりを」「17 パートナーシップで目標を達成しよう」の5項目に該当する活動進めるべきだと飯塚先生は言います。人口流出が続く静岡市で静岡に暮らしてみたいと若者が減少すれば、税収も減少し自治体は疲弊します。これに高齢化が重なり伝統文化の継承は厳しくなります。その結果、観光地としての文化の維持・保存は難しくなります。子ども食堂は、貧困や飢餓をゼロにすることは出来ません。しかし子どもたちが育つ環境を少しでも整えることによって静岡市が子育てのしやすい地域となれば、静岡市で育った子供たちが若者になり、静岡市を愛し、静岡市に住み続けたいという思いから静岡市を支える原動力になります。つまり子ども食堂をその地域の文化にすることで文化を守っていくことになります。静岡市で頑張りたいという気持ちを育てるには早く子ども食堂を静岡市の文化にしなくてはならないとおっしゃっていました。

 講義の途中、生徒・保護者から多くの質問がありました。ヨーロッパで体験して貧困支援の実情と日本の子ども食堂に見られる違いから日本の貧困支援がなぜこれ程敷居が高いのか、姉が子ども食堂のボランティアで関わっていたこともあり、子ども食堂に興味があるがこの地域でも開くことが出来るのか、退職したらぜひ子ども食堂を運営してみたいと思うが、どのような点に気をつけたらよいのかなど特に女生徒や母親から関心の高いテーマとなりました。
次回、第2回講座は、12月7日(土)に会場を静岡ハリストス正教会のアークホールに移して静岡大学人文社会科学部の小二田誠二教授を講師にお迎えし、静岡ハリストス正教会のイコンと山下りんと題して実施します。お楽しみに。