静岡学園中学校・高等学校

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静学ブログ

2020年1月25日

SGT教養講座 独占禁止法教室

 1月21日(火)、放課後を使いSGT教養講座 独占禁止法教室が開催されました。講師は当初予定していた公正取引委員会事務総局中部事務所の塚本篤司さんがお仕事の関係で都合がつかなくなったため同委員会の大山悠生さんと飯島千尋さんが担当されました。中学生1名、高校生3名、教員1名が参加しました。昨年は独占禁止法違反の疑いでジャニーズ事務所や吉本興業のニュースが紙面をにぎわしたことがありましたが、何のために作られた法律なのか、またどのような企業が対象となるのかよく分からないという生徒が殆どだと思います。そこで大山先生からまず市場経済と競争の仕組みをお話いただき、次に企業間の競争がないことが消費者にとってどれだけ不利益を与えるかを教えていただきました。

 続いて企業がどのようなサービスを提供することで消費者が商品を購入するようになるか、逆に競争を回避するため企業間で秘密裏に契約を結び商品の価格を同時につり上げるどうなるのか、カルテルの仕組みと公正取引委員会による立入り調査と取り調べについて生徒・教員とで社長と公正取引委員会職員に分かれロールプレイを行い、その実態について学びました。企業間でカルテルが結ばれ価格が硬直化し独占が進むと企業間の公正な競争が行われなくなり消費者が不利益を被ることになります。これを防止するためこの法律が作られ、この法律を運用し行政指導という形で準司法的機関として企業への立入り調査、取り調べ、処分を行っているのが公正取引委員会であることを詳しく学ぶことが出来ました。

 最後に立入り調査や取り調べを担当されている飯島さんから実際に行った調査や取り調べについてお話をうかがいました。企業への立入りの前に逃走経路を塞ぐため出入口を入念に確認しておくこと、さまざまな言い訳を作り外に出ようとする社員を阻止すること、カルテルを結んだ契約書は簡単に見つかる場所には隠されていないこと、取り調べの際は細心の注意を払い、挙動に気をつけることなどをお話してくれました。中にはカルテルを結んだ契約書を口の中に放り込み食べてしまおうとした経営者もいたそうです。しかし公正取引委員会は警察のような司法機関ではありません。令状を持たずに立入り調査を行うことは、大変なご苦労もあることでしょう。なかなか口を開こうとしない経営者に対しては熟練の取り調べ担当者があたり証言や証拠の契約書の場所を聞き出すこともあるそうです。内部告発のほか外部からの情報提供またカルテルを辞めたいという相談までさまざまな情報を分析し立入り調査や取り調べを行うそうです。もちろんマスコミで取り上げられるような国民の関心の高いジャニーズ事務所によるテレビ局への圧力や吉本興業の芸人との契約問題も対象となることもあるそうですが、吉本興業については調査に入った事実はないとのことでした。公正取引委員会は所轄が内閣府ということもあり最近ニュースでも取り上げられている「桜を見る会」に関わった企業についてもぜひ立入り調査や取り調べなど行政機関による捜査のメスを入れていただきたいものです。

 ともあれ飯島さんからのお話のあと生徒からも多くの質問が出ました。少人数ではありましたが、充実した講義となりました。