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概要

静岡学園図書100選

生命の内と外著者・編集者永田和宏著叢書又は出版社新潮選書発行年2017年1月NDC463皮膚の移植は、たとえ親子であっても、それを非自己と認識して拒絶反応を起こすので定着させることができません。われわれヒトは、皮膚に限らず、外部から侵入するものを自分にとっての異物であると判断すれば、それは排除すべきものとして防御のシステムが働きます。しかし、どんなに抗菌の手段を取っても、ヒトの腸内には数多くのバクテリアが棲んでいます。それは必ずしも害になるわけでなく、むしろ生命活動に有益なものも多いのです。細胞内にあるミトコンドリアという酸素呼吸を司る細胞小器官は、太古の昔他者として別の細菌の細胞膜から入り込んだ細菌で、共生することで現在に至っていると考えられています。その証拠に核とは別に独自のDNAを持っているのです。それでは自己とはなんでしょうか。どこまでが自分の存在で、他者との関係で自己の生命を維持しているのでしょうか。少し哲学的でもある命題を、生命科学の基本を踏まえ、高校生にも理解できるよう、生命の本質に迫る画期的な本です。また、著者は、日本を代表する細胞生命学者で、著名な短歌の歌人でもあります。豊かな教養と感性に裏打ちされた文章が味わえる…そんな一冊です。63