静岡学園図書100選

静岡学園図書100選 page 39/124

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異邦人著者・編集者カミュ著叢書又は出版社新潮文庫発行年1954年9月NDC953.7おかあさん、かあさん、おふくろ、ママ、マミー。母親を表す言葉はいろいろある。だが....

異邦人著者・編集者カミュ著叢書又は出版社新潮文庫発行年1954年9月NDC953.7おかあさん、かあさん、おふくろ、ママ、マミー。母親を表す言葉はいろいろある。だが、窪田啓作氏は冒頭をこんなふうに訳した。「きょう、ママンが死んだ。」…何と甘美な響きだろう。ところが、この小説は、ママンを失った青年ムルソーが殺人を犯す第一部とその裁判記録である第二部から成る、甘美さのかけらもない極めて無機質な作品なのだ。近代以降、私たちは物事には合理的な因果関係が必ずあるものだと思っている、即ち、殺人にはしかるべき動機があるはずだと。しかし、ムルソーは殺人の動機を検事に問われて答える、「それは太陽のせいだ」と。この検事との噛み合わないやりとりが実に面白い。異邦人ー仏語でエトランジェ、異国の人という意味だが、自分に正直であればあるほど社会に受け入れられない主人公の姿には意外に共感する。37