静学ブログ

2018年9月18日

SGTレポート SGT教養講座 Global Communication 第1回レシャード先生との対話

 9月15日(土)の午後13時からSGT Global Communication 第1回講座が3階物理実験室を会場に行われました。人・物・カネ・情報が国境を越え自由に行き交う現代社会においてさまざまな社会問題が噴出しています。経済的に豊かになる人々がいるなかで、貧困から抜け出せない人々がいます。また気候変動をめぐる環境問題が干ばつの発生を生み、食料不足から内戦が起こっている国々もあります。こうした現代の諸問題を解決するために活動されている方々を講師としてお呼びしお話を聞くと同時に問題解決のためのためにはどうしたらよいのか、またお話の中で分からないこと、疑問に思ったことを質問してより掘り下げてみようというのが本講座の狙いです。記念すべき第1回講座は、1993年に島田市で医療法人社団健祉会レシャード医院を開業し日々往診による診察に励むアフガニスタン出身のレシャード・カレッド先生です。先生は、またNPO法人 カレーズの会の理事長でもあります。先生は、1950年にアフガニスタンに生まれ、高校を卒業後、1969年に国費留学生して日本にやってきました。千葉大学留学生部で日本語及び基礎科目を学び、その後京都大学医学部に編入されました。1976年、同大学医学部を卒業し、1984年、医学部博士号を取得されました。1976年から82年まで関西の病院で医師として勤務し、1982年から89年まで島田市立病院呼吸器科医長に就任し1989年から91年まで国際協力機構(JICA)のイエメン共和国結核対策プロジェクトでチームリーダーを務められ、2004年には京都大学医学部臨床教授に就任されました。また2002年、アフガニスタン南部のカンダハール市で「医療と教育」を柱としたアフガニスタン復興支援に取り組むカレーズの会を立ち上げ、年に1度、アフガニスタンを訪問され、主に医療ボランティア活動に従事されています。
 中高合わせて21名の生徒と教員7名の聴講者を集め、講義は静かに始まりました。最初に先生は、アフガニスタンの今と昔についてお話下さいました。PowerPointによる資料を使い、ソ連軍による軍事侵攻前のアフガニスタン南部のカンダハール市と現在の様子を写真を使いながら丁寧にご説明下さいました。かつては緑に覆われた美しい自然と近代的な建物が立ち並び、歴史的遺跡にもめぐまれたシルクロードの途中にあるこの国が、現在ではその全てが破壊され、戦争による残骸で覆われていることを知りました。先生は、ソ連軍の破壊された戦車の前にたたずむ2人の少女の写真を写し、日本が戦争放棄をうたった憲法第9条を持っていることが平和を維持する上でとても大切であるとお話されました。
 アフガニスタンは、さまざまな果物の原産地でもあります。シルクロードを経て日本に伝えられたメロン、ザクロ、そして10種類以上あるぶどうなど日本でもよく知られた果物がたわわに実る土地です。一方で歴史的ロマンに富んだ国でもあります。『大唐西域記』の記述にもあらわれるバーミアンの石仏は、玄奘三蔵法師が立ち寄った仏教遺跡です。世界遺産にも指定されていましたが、イスラム原理主義者によって爆破されてしまい、今は跡形もありません。
 次に先生が医師になろうとした理由をお話し下さいました。子どもの頃、近所でよく声をかけてくれたおじいさんがいましたが、その方が結核にかかり寝たきりの状態になります。往診におとずれた医師は、そのおじいさんを励まします。その度におじいさんは、元気になることを医師に誓い、食事を取ったそうですが、やがてやせ細り、ベッドから起きられなくなります。医師は、家族をそっと呼び、余命が幾ばくもないことを告げます。おじいさんの前では、力強く励ます医師とは別の姿を見たレシャード先生は、この医師が嘘をついていると子ども心に思ったそうです。しかし医師の仕事はたとえ治らない患者であっても患者と共にあり患者に触れ励ますことが医師の姿であることを大人になるに連れ学んだそうです。先生は、医師の医の旧字体、「醫」を例にあげ、この漢字の左上が「技術」、右上が「奉仕」、下が「祈る」または「祀る」という意味があり、医師は、技術だけあっても奉仕の心がならず、患者に寄り添い治るように祈り「手当て」することが大切であると言います。
 先生は、アフガニスタンにいる時、日本は、「アジアの英雄」であると思っていたそうです。南下政策によってアフガニスタンを苦しめたロシア帝国を日露戦争で破り、2度の原爆投下で国土が荒廃し第二次世界大戦では敗戦国となったにも関わらず、戦後、高度経済成長により急速に復興を遂げ先進国となったことが日本人が持つ「お陰様」という精神性と平和憲法によって成し遂げたと考えていたそうです。しかし先生の祖国アフガニスタンは、先生が留学中に祖国がソ連軍に蹂躙されてしまいました。そのような状況の中で帰国すれば軍隊に入らなくてはならない状況となり医師としての医療活動が満足に出来ないことになることから日本に残り医師として働くことを選んだそうです。
日本で医師となった先生は、荒廃した祖国のために立ち上がりアフガニスタンの復興支援のため学校を作り、子供たちの識字率向上のために医療ボランティアと合わせて活動しています。生徒の数が多く教員の数が足りないこともあり、一日3回生徒を入れ替えて授業を行っているとのことでした。旧ソ連やその後の紛争によって多くの地雷が敷設され誤って踏んでしまい足や腕を失った子どもやクラスター爆弾で被害を受けた大人のお話もお聞きしました。日本がいかに安全な場所であるのかを写真を通じて思い知らされます。
 アフガニスタンは6000m級の山々が連なる標高が高い地域が多く乾燥帯に位置します。しかし国土の荒廃と衛生環境の悪化により細菌によって汚染された水を飲み水として使うことが日常となってしまいました。レシャード先生は、日本の企業が開発した太陽に当てておくだけで細菌による水質汚染をきれいにする発明品を使い、細菌感染による胃腸の感染症を低下させたことをお話下さいました。日本の製品がこのような形で役に立っていることは大変喜ばしいことです。
 先生のお話の中で特に印象に残ったお話は、難民キャンプで十分な医療品がない中ジフテリアにかかった少年に対して治療を施したことです。のどの内側がただれ膿が溜まり気道が狭くなり今にも呼吸が止まりそうな少年に対し、医療器具も患者用の薬もない中で口に手を入れのどの内側に溜まった膿疱を指で潰し気道を確保する治療を施したそうです。父親はその間、息子が助からないと確信して墓穴を掘っていたといいます。日本では考えられないことです。施術後、気道が確保され呼吸が楽になった少年の様子を見届けた先生は、自分たちの感染症予防のために持っていた3日分の薬を家族に渡し難民キャンプをあとにしました。外科が専門である先生が簡単な手術道具もない状況で出来うる最前の治療方法を選択したというお話ですが、医師は、技術だけあってもだめだ、その状況の中でよく考え出来る最善のことを行い、患者を励まし寄り添うことが大切だという先生の医師としての生き様を感じました。
今回の講演は、レシャード先生と生徒との対話の中で進みました。将来、海外で活動することを考えている生徒に対するアドバイスとして「失敗してもやり直せばいいからまずやってみることが大切だ」というレシャード先生の言葉が大きな励みになったことと思います。レシャード先生の暖かな人柄に触れることが出来た90分でした。

2018年8月26日

SGT Shizugaku Folk Jamboree 2018・夏

8月24日(金)、中学生対象のEnglish summer campが終わったあとの静学ホールを会場に17時から18時までShizugaku Folk Jamboreeが行われました。Folk Guitar片手に青春の一曲をみんなで口ずさもうというこの企画ですが、お二人の先生のほか、本校のALTの先生1名が参加してくれました。David Bowieの「Starman」から始まりBee Geesの「First of May」、Neil Young の「Heart of Gold」、Rolling Stonesの「Angie」、Eaglesの「Take it Easy」、Black Sabbathの「War Pigs」まで1970年代を代表する洋楽が続いた後、かぐや姫の「加茂の流れに」、「神田川」、岡林信康の「君に捧げるLove Song」を合唱し締めくくりました。ヒット曲には、素晴らしいMelodyとその時代を映し出す歌詞があります。過ぎ去った青春時代を懐かしむには少し短か過ぎましたが、楽しいひとときを過ごすことが出来ました。次回、SGT Shizugaku Folk Jamboree 2018・冬は、12月開催予定です。

2018年8月26日

SGT農業体験講座〜棚田で遊ぼう〜第5回棚田Tour

8月25日(土)、快晴の天気の中、第5回棚田Tourが行われました。今回は中学生3名、高校生2名の5名の参加者しかありませんでしたが、清沢塾塾生の方々のご指導のもと昨年収穫された緑米、亀の尾を精米しました。精米機は棚田唯一の電動機器でこの時にだけ使われます。精米が終わったところで昼食です。今回も清沢塾有志のご夫人の方々が作った具沢山のおみそ汁と漬物をいただきました。野菜やきのこが沢山入ったみそ汁は、農作業の疲れを癒してくれます。昼食を挟み、電気柵設置のためのくい打ち作業を行いました。塾生の熱心なご指導のもと鹿や猪が田に入ってこないように棚田の周りを取り囲むように電気柵を設置しました。合わせて害獣よけのグリーンネットも設置しました。棚田は、これから秋に向けて田の水を徐々に減らしています。稲がその実を太らせていくのは、これからです。10月の終わりには黄金色の穂を付けた棚田が一面に広がっていることでしょう。『清風払明月 明月払清風(せいふうはめいげつをはらい、めいげつはせいふうをはらう)』という詩がありますが、収穫を控えた美しい田園風景がお月見の頃には、一面に広がっていることでしょう。さて、次回第6回棚田Tourは、9月22日(土)です。引き続き田の整備を行います。山間部にある棚田は、これから少しずつ涼しくなってきます。今度は、多くの生徒が参加してくれることでしょう。

2018年8月25日

SGT English Summer Camp Teaching Assistant 2018

8月23日(木)・24日(金)、特別授業日の放課後を使い、静学ホールを会場にSGT English Summer Camp Teaching Assistantが行われました。英検準2級以上を取得している高校生またはGTECで690〜1189点を取得した高校生の希望者を対象とした講座です。中学生の希望者対象のEnglish CampにALTのAssistantとして一緒に参加してもらう企画ですが、今年も本校の中学から探究系のClassに進級した4名の生徒が参加してくれました。その他に高校から入学した4名の生徒を加え、計8名で担当しました。当日は、本校の2名のALTに加え、外部から4名のALTをお迎えし普段の中学生の英会話の授業(Cambridge connect)の15名よりもさらに少ない5名ずつのGroupに1人または2名のAssistantが加わりOral Communication中心のActivityを楽しみました。各Groupには中1から中3まで混じっています。どうしても英語が理解出来ない場合は、高校生のAssistantが分かりやすく日本語でHintを出しFollowするという形を取りました。Assistantの生徒は、Hearing能力を試されると同時に下級生に説明することも求められます。実践に即した英語と日本語の両方の力が試されるよい機会となりました。次回は、12月26日(水)・27日(木)・28日(金)のSGT English Winter Camp Teaching Assistantです。

2018年8月24日

SGT教養講座 法教育教室Part 2

8月22日(水)、特別授業日の放課後にSGT教養講座 法教育教室Part 2が行われました。7月31日(火)の特別授業日の放課後に行われたSGT法教育教室Part 1では静岡地方検察庁を会場に主に検察官の仕事について学びましたが、今回は静岡地方裁判所で刑事裁判を傍聴し、裁判官、弁護士、検察官の現場での仕事を見学しました。今回は道路交通法違反過失傷害で在宅起訴された方の裁判でした。注意力散漫による運転により高齢者と接触し怪我を負わせてしまったことにより起訴されたとのことでした。被害者との示談をついているとのことでしたが、検察側からの求刑は禁固1年という大変厳しいものでした。裁判の後、裁判所事務局総務課広報係長から裁判の流れについての説明と法廷見学をさせていただきました。参加した中高生からは、法廷内の設備や裁判について質問が出ました。今回は、大人が起こした自動車事故でしたが、未成年による高齢者に対する自転車との接触事故のNewsが新聞に載ることも増えています。生徒たちも今回の裁判を傍聴し自転車による一時停止無視や自転車に乗りながらスマートフォンを操作することが事故につながることを想像した生徒もいたことでしょう。裁判官、弁護士、検察官が被告に対し裁判ではどのように接するのか、また何気ない不注意が自分の生活を大きく変えてしまうこともあることを学んだではないかと思います。法廷見学の後、中日新聞の取材を受けました。後日新聞に掲載されますのでその時には改めてHP上でお知らせします。

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