静学ブログ

2018年2月26日

SPAC中学演劇鑑賞会

 2月14日(水)、今年もSPAC(静岡舞台芸術センター)主催の中高生観賞事業を利用し劇団SPACの『ミヤギ能 オセロー 〜夢幻の愛〜』を観賞しました。音楽の授業で事前学習をし臨んだ観賞会でしたが、今年は、開演前に演出家の宮城聡さんが直接生徒に観賞のPointである能の表現形式と簡単なStoryの解説をしてくれたことあり、より作品に対する生徒の理解も深まりました。この作品は、宮城聡さんが13年前にフランスのアヴィニョン演劇祭で上演して以来の再演でWilliam Shakespeareの原作を日本の伝統芸能である能の表現形式である『複式夢幻能』のスタイルを借りて演出された作品です。
 物語は、主人公のDesdmonaの霊が愛する夫Othelloによって殺された思い出を語る形で進んでいきます。舞台はオスマン帝国となったサイプラス島です。1489年、オスマン帝国のイスラム教徒によって占領されたサイプラス島を奪い返したヴェネツィア共和国は、1571年のレパント沖の海戦でもオスマン帝国に勝利しましたが、同時に痛手を負い、この島を守備していた陸軍も夜半に密かに撤退し取り残されたヴェネツィアからやってきた女達がハーレムに売られたり、奴隷となったりして生き延びています。そこへ旅の僧侶がやってくるところから物語が始まります。僧侶にしか見えないDesdmonaの霊は、自分の霊を弔って欲しいと言い、『いちごの模様のハンカチ』を渡します。僧侶は夢の中で彼女が物語る思い出を聞きます。それは立身出世し将軍にまで昇進したムーア人の夫Othelloが彼女の不倫を疑い、嫉妬と激情に駆られ彼女を殺してしまったお話でした。やがて話が終わると、彼女は成仏し、静かに消えて行きます。舞台では能の楽隊である登場人物の心の内面を集団で歌う地謡と囃子方が歌と演奏を奏でていました。特に演奏は、日本の伝統的な楽器(笛・小鼓・大鼓・太鼓)をあえて使わずアフリカの打楽器ジャンべなどを使って独特な雰囲気を醸し出していました。またセリフも日本の近世の文語体で語られており、生徒たちも幽玄の世界を十分堪能出来たようです。

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